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ターゲットマーケティングとは、意味と戦略について

メーカーであれ小売業であれ、商品を開発し販売するということは、その商品を買ってくれるであろう生活者(ターゲット)を想定し、そのターゲットにふさわしい広告を展開しながら満足してもらう販売方法で市場に出ていくことです。
その意味では、ターゲットマーケティングの考え方は、必ずしも新しいものではありません。
とくに競合商品がひしめき合い、競合店舗が軒を連ねているような厳しい市場環境では、ターゲットをできるだけ明確化し、ライバル商品や競合店舗との差別化を進めることがマーケティング戦略の中心課題となっています。

これらのターゲットに対する考え方は、いずれも生活者をマスあるいはグループで捉える考え方であり、「括り」のターゲット発想ともいえるものです。
同じようなライフスタイルを持つ生活者のグループ、同じようなライフステージにある生活者グループといった生活の共通項によってグループ化したようなものが、この「括り」のターゲット発想です。

この「括り」のターゲット発想も、生活者の生活に一歩近づくという意味では、それなりに顧客志向を強めたものといった評価を与えることはできます。
しかし、この「括り」のターゲット発想では、今日のように多様化、個性化した市場の中の一人ひとりの顧客の欲求や好みの違いを発見し、それに合わせたマーケティング戦略を展開するには未だ不充分です。

ほとんど必要と思われる商品を持ってしまっている生活者に、新たな商品の購入意欲をあきたて、需要を創造していかなければならない今日のような市場環境においては、これまでのような「括り」のターゲット発想をさらに進めて、顧客一人ひとりを「顧客」として捉える発想なしに市場対応することができなくなっているのです。
この顧客を、一人ひとりの暮らしと顔を持った顧客として捉える発想こそ、ターゲットマーケティングといえます。

ターゲットマーケティングを一言でいうと、「顧客をよく知り、顧客との結びつきを深めることにより、顧客を末永く顧客化し、顧客の購入意欲を刺激して、売りに結びつけていくマーケティング戦略である」といえます。
いいかえると、、顧客に対して、「私のブランド」「私の店」といった商品やお店と顧客との関係を一対一の関係で結びつける戦略なのです。

最近のマスコミを賑わしているダイレクトマーケティングは、このターゲットマーケティングと無店舗販売という販売技術とを一体化させたものです。
また、新しい量販店などが生鮮食品売り場などで対面販売を一部導入し始めているのも、ターゲットマーケティングを意識した一つの試みとみることができます。


ニュービジネス展開への期待

一人ひとりの生活者への個別対応を目指すターゲットマーケティングは、販売効率の上からも経営の安定化の上からもメリットがあり、さらに新しい需要創造や市場発見といった事業機会の拡大といったメリットも持っています。

販売効率の上からみたメリット

顧客一人ひとりの暮らしを知ることにより、売れる商品、気に入られるサービスといった適切なマーチャンダイジングや売り場づくりなどの合理的な販売活動が展開できます。
また顧客一人ひとりの商品購入歴を把握することにより、顧客が次に求めている商品が具体的になり、タイミングのよい販売活動ができます。

経営の安定化の上からみたメリット

顧客を固定客化することにより、継続的な取引きが可能となります。
より高額な商品への誘導、関連商品購入の促進、同一商品の反復購入などを通じて、購入単価の上昇と長期的、継続的な販売を可能にし、経営の長期的安定に寄与することができます。
たとえば、健康食品についてみると、一人の顧客の健康食品ニーズを顕在化し、固定客化すれば、その月間購入額を2万円とすると、月間2万円×12ヵ月で24万円の売り上げを達成できる計算になるのです。
これを、すべて新規の顧客で埋めるとするならば、毎月1名、1年間で12名の新規顧客を獲得しなければならないのです。

また、この顧客の固定化で無視できない効果は、クチコミ効果です。
固定化された顧客は、「私のブランド」「私のお店」といったファン意識が強く働き、友人や知人に機会あるごとに「私のブランド」や「私のお店」を紹介し、その購入や利用を勧める可能性が高いのです。
その結果、客が客を呼ぶといった好循環も期待することができるわけです。


事業機会の拡大

顧客一人ひとりの暮らし方や考え方を知っていることは、彼らに合った商品をよりふさわしい販売方法で届けることができるということです。
いいかえれば、お店に商品を陳列し、そこにお客を呼んで商品を販売する、伝統的な販売方法にこだわる必要がなくなるということです。

欲しい商品がわかっており、求めている顧客もまたわかっているなら、直接その顧客に働きかける方が合理的です。
そこで、ダイレクトマーケティングといった販売ベンチャーに参入することによって、新しい流通ルートを手に入れ、事業機会を拡大することができるのです。

また、これまでは市場規模が小さすぎて、ビジネスの対象になりにくかったマイナー需要も、効率的なターゲットマーケティングの展開によって、十分な市場性を持つことになります。

その1つが、福祉ビジネスといわれる分野です。
糖尿病患者を対象にした食材宅配ビジネス、フランスベッド販売が始めた寝たきり老人用の療養ベッドを家庭にレンタルするニュービジネスなども、これまでのマスマーケティング発想では、経営採算的に到底引きあわず、ビジネスになりえなかった分野です。

しかし、顧客一人ひとりの欲求がつかめるターゲットマーケティングの展開によって、そのマーケティングコストを大きく低下させることができ、福祉というこれまでビジネスになりにくかった分野も立派なビジネス分野となったのです。



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