メニュー ホーム

うつ病の治療方法と症例

話がうまくまとまらない、会話量が減ったとの理由で心療内科を受診したBさんの症例。

電気製品製造業会社の中間管理職として、新製品の開発、部下の指導や、プロジェクトチーム運営のためのコミュニケーション能力を周囲から求められている人でした。
しかし、そのコミュニケーション能力に自信をなくしていました。

話を聞くと、どうも問題はコミュニケーション能力の低下だけではない様子で、今まで趣味であった野球観戦もまったくする気がなくなったというのです。
機械の説明書やマニュアルも読む気がないなどの意欲と興味の低下もありました。
また、夜になってもなかなか寝付けないという不眠症状、ご飯がおいしく食べられないという食欲不振なども顕著でした。


受診に同伴した奥さんから話を聞くと、元来、まじめで責任感の強い性格で、もともとはプレゼンテーションのレジュメもしっかりつくり込み、コミュニケーション能力も決して低いタイプではなかったとのことです。
新規開発事業が商品発売にまでいたらないなど、結果が出ずにプロジェクト運営がうまくいかなくなったのは、すべて自分の責任だと思い込んでいるようなのです。
ただ、これまでにも、自分の考えを他人に押し付けるようなことや、主張を曲げないなどの、コミュニケーション行動や思考にやや固いところはあったようです。

たとえば、販売部門からの要請をうまく取り入れることができずに、商品開発側の立場からの要望のみを主張し、押し通そうとすることも多く、その融通性のなさは少し問題となることもあったとのことです。
ただし、本人は誰よりも長く就業時間をこなし、バリバリ働くタイプであったので、周囲も助言がしづらかったようでした。

診察の結果、意欲の低下に不眠・食欲不振などの生理的反応をともなっており、典型的「うつ病」と診断されました。
治療方法は抗うつ薬による薬物療法を行うとともに、休養が指示されました。
また、「頑張りすぎずに、ほどほどのところで妥協してもいいでしょう」というアドバイスもされました。

数か月の治療後、症状は改善しました。
今までの自分はちょっと頑張りすぎ、まじめ過ぎで融通も利かなかったと思うと言い、これからは手を抜くところは手を抜いて、コミュニケーションも自分の考えを押し付け過ぎずに適度に相手の意見も柔軟に聞いていこうと思います、とBさんは表情をやわらかく語ってくれたのです。


うつ病への対応

うつ病とは、気分の落ち込み、意欲や興味の減退を示す病気です。
「今までできていたことができなくなる」という点から、生まれつきの障害は違う、「後天的な」疾患といえます。
つまり、誰でもかかる可能性があるのです。

よく見られる症状として、不眠や食欲の低下の他に性欲の低下などが認められます。
また、うつは大人だけに見られるものではありません。
子供にはもうつはあるのです。
子供のうつの場合は、顕著な気分の落ち込みの代わりにイライラ感を訴える場合も多いようです。

精神疾患の有病率に関するデータには、さまざまなものがあります。
そもそも診断事態が血液検査のように数値化されたり、外科的疾患のように画像的所見が得られるものではないので、研究によって異なるのが現実です。

それでも、さまざまなデータを統合すると、ある時点で日本人のうち何人がうつ病であるかについては、100人中3人から5人であるといわれています。
ですから、現代は360万人から600万人くらいが、うつ病と診断できる状態であるということです。

生涯でうつ病にかかる率でいうと、15パーセントというデータがあります。
つまり、6人から7人に1人は、一生のうち、どこかでうつ病になるということです。

うつ病は必ず治りますが、時に重度のうつ病においては、自殺行動が見られることがあります。
日本では自殺者が年間3万人を超えるという異常な状況が1998年から続いていますが、自殺者の多くがうつ病であるというデータもあります。



カテゴリー:役に立つ話

better

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です